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西十二畳敷『墨絵に梅』、書院『遠寺晩鐘図』、次四畳敷棚『鳩図』、十二畳敷『鵞鳥図』、次八畳敷奥四畳敷『雉の子を愛する図』、南十二畳『唐の儒者達』

十二畳敷『花鳥図』、四畳敷『花鳥図』、南八畳賢人の間『瓢箪より駒の図』、八畳敷『呂洞賓（実在の神仙）と仙人の図』、北二十畳敷『牧の駒図』、次十二畳敷『西王母（不死薬を持つ仙女）図』

西十二間『岩の間、岩に木々』、西八畳敷『龍虎之戦図』、南十二間『竹の間；竹色々』、次十二間『松の間；松の根色々』、東八畳敷『桐に鳳凰図』、

次八畳敷 『許由・巣父及び故郷の図』（きょゆう・そうほ；皇帝より天下を譲ると言われた許由は滝の水で耳を洗い、そこへやってきた巣父はけがれた水を牛に飲ませられぬと立ち去った）、

十二畳敷の内西二間『手まり図』、次八畳敷『庭子の図』『鷹の間』

『釈迦十大弟子』、『釈迦成道説法の図』、縁輪『餓鬼と鬼の図』、縁輪のはた板『鯱（しゃちほこ）と飛龍の図』、
高欄・擬宝珠（こうらん・ぎぼうし；手摺と柱頭飾り）彫り物。

四方の内柱『昇り龍と降り龍の図』、天井『天人影向（来臨）の図』、座敷内『三皇五帝』『孔門十哲』『商山四皓（しょうざんしこう；漢の時代世を捨て商山に隠れた四人の老人）の図』『七賢人の図』、
狭間戸漆黒。座敷内外内柱漆黒。

狩野光信者永徳嫡子也、称右京進。画様不如父意、故未伝家法、永徳没後従家族及諸門生、孜々（しし）得家法。為花草禽虫、倭画風情軽柔可愛、又倣玉澗(ぎょくかん)之山水、雖不及父不凡。慶長壬寅（みずのえとら）年死寿四十二歳令。洛下相國寺法堂天井蟠龍図乃光信之墨痕也。

狩野光信は永徳の嫡子であり、右京進と称する。絵様が父の意に沿わないものであった故に家法を伝授されなかったが、一族の者や父の門人に従って懸命に努め家法を得た。

花草鳥虫を描く、やまと絵の風情は軽く柔かで愛すべきものである。また玉澗（破墨山水画で知られる中国南宋の画僧）に倣い、父に及ばずといえども並大抵な才能にあらず。慶長7年（1602）42歳で死去。

京都相国寺法堂の天井画「蟠（ばん）龍図」は光信の墨画である。

1584年～大坂城御殿
1586年～正親町院御所
1587年～聚楽第
1590年～内裏（この年永徳は48才で死去）
1592年～肥前名護屋城

1595年～法然院方丈「槇に海棠図（まきにかいどうず）」「桐に竹図」
1600年～園城寺勧学院客殿「四季花木図」「深山瀑布図」
1602年～都久夫須麻（つくぶすま、竹生島）神社本殿「花木図」
1603年～京都徳川秀忠邸「大内裏図」
1605年～高台寺御霊屋（秀吉・ねねの霊廟）「浜松図」
1605年～相国寺法堂天井画「蟠龍図」

「肥前名護屋城図屏風」（佐賀県立名護屋城博物館）
「春秋花鳥図屏風」（個人像）
「豊臣秀吉肖像画」(宇和島伊達文化保存会/高台寺/逸翁美術館等)
「三十六歌仙図扁額」（宗像大社）

家法を伝え図絵に長じ、筆力は軽妙自在でありながら強靭かつ重厚なり。人物の手足は小さく為し、于花（うのはな）禽鳥の描写に長ずる。 関白豊臣秀吉公の御殿に花草図に画いたところ、胡蝶が来りて画花に遊び戯れ、これを見た人が皆感称したものだ。

右京光信は、土佐将監の聟（むこ）也。

此二図遠山氏ヨリ得タリ。秀吉ノ像ハ筆者ノ姓名ヲ伝エズ。
信長ノ像ハ右京光信　公ノ世ニ存セシ時御前ニテ写シタル物ナリトゾ。
原図ハ画史何某法印ノ家ニ在。

信長公像

モエキ上下
空色小袖
（一行不明）
金扇子

信長公像

裃（かみしも）は萌葱色（緑）
小袖は空色
（一行不明）
扇子は金色